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うつ病や適応障害などで休職や離職を経験すると、体調が落ち着いたあとにも「また同じように無理をして崩れてしまうのではないか」という不安が残りやすいものです。仕事を探すこと自体よりも、どうすれば長く働き続けられる状態を作れるのかのほうが気がかりだという方も多いのではないでしょうか。
そうした方の選択肢のひとつが、障害福祉サービスの「就労移行支援」です。この記事では、パーソルダイバース株式会社が運営する就労移行支援事業所「ミラトレ」について、公式サイトで確認できた内容をもとに、特徴・料金・利用の流れ・デメリットを整理します。リワーク(復職支援)との違いも、公式の説明に沿って解説します。
なお、この記事は治療や診断に代わるものではありません。就労移行支援は症状を治すサービスではなく、働くための準備を支えるサービスです。体調に不安があるときは、まず主治医など医療機関に相談してください。

ミラトレとは?サービス概要
ミラトレは、総合人材サービス「パーソルグループ」の特例子会社であるパーソルダイバース株式会社が運営する就労移行支援事業所です。公式サイトによると、2019年にそれまでの就労移行支援の名称を「ミラトレ」にリブランドしており、東京・神奈川・千葉・埼玉・愛知・大阪・兵庫の事業所で利用者を受け入れています。
| サービス名 | ミラトレ(パーソルダイバースの就労移行支援) |
|---|---|
| 運営会社 | パーソルダイバース株式会社(本社:東京都港区港南) |
| サービスの種類 | 障害福祉サービスの就労移行支援(障害者総合支援法にもとづく) |
| 対象 | 一般企業への就職を希望する、精神障害・発達障害・知的障害・身体障害・難病のある65歳未満の方(公式サイトの説明) |
| 利用期間 | 原則として最長2年間(公式サイトでは、ミラトレに通う方は平均約1年が多いとしている) |
| 費用 | 前年の世帯所得に応じた自己負担(公式サイトでは、9割の方が自己負担なしで利用と説明) |
| 相談・見学 | 見学は約1時間。ご契約前に3日間程度の体験利用を勧めている(日数は状況により異なる) |
就労移行支援は、病院での治療とは別の制度です。「一般企業で働くために必要な力を身につける通所型のトレーニング」という位置づけで、ミラトレでも、個別支援計画にもとづくプログラム、就職活動の支援、就職後の定着支援までを一貫して行うと案内されています。
休職・離職のあとにミラトレの支援をどう活かせるか
ミラトレの公式サイトは、サービスの特徴を「個別支援計画」「健康管理・日常生活管理」「コミュニケーションスキル」「ビジネススキル」「実践的トレーニング」「就職支援」「定着支援」などの9つのポイントで紹介しています。ここでは、休職や離職を経験した方が気にしやすい部分を中心に見ていきます。
体調と生活リズムを整える「健康管理・日常生活管理」
公式サイトによると、ミラトレでは安定して長く働くための土台として、健康管理や生活管理のスキルを重視しています。生活や健康に関する講座があり、希望により通院への同行や個別のアドバイスも行うとされています。
例として挙げられているのは、体力をつけるためのウォーキング、生活リズムの整え方のアドバイス、金銭管理のトレーニング、食事指導やヨガなどのプログラムです。睡眠をテーマにした講座の例も紹介されています。ただし、プログラムの有無や内容は事業所によって異なると明記されているため、気になる講座は見学の際に確認するのが安心です。
また、公式サイトの卒業生インタビューでは、毎朝支援員と体調を確認することや、「オンとオフの切り替え」を学ぶ講座が紹介されています。体調の波を自分で把握し、無理をしすぎないペースを身につけるという考え方は、休職や離職を経験した方にとって参考になる部分でしょう。
半日通所など、ペースに合わせた個別支援計画
個別支援計画は3か月ごとに作成・更新され、1か月半ほどで中間評価、3か月の時点で総合評価を行うと説明されています。体力に自信のない方は半日の通所から始めるなど、無理のない形で生活リズムを整えられるとのことです。
コミュニケーションと疑似就労
ミラトレは、企業が採用時に重視する点としてコミュニケーションを挙げ、実践的なプログラムを用意しているとしています。事業所の内装やプログラムは実際の職場を想定して作られていて、仕事のように職務が割り当てられる疑似就労も体験できるそうです。職場での人間関係や「報・連・相」に苦手意識がある方が、働く場面に近い環境で練習できる点が特徴といえます。
就職後も続く定着支援
就職後の6か月間は「職場定着支援」を受けられ、7か月目以降は希望により「就労定着支援」を利用できると公式サイトに書かれています(就労定着支援は最長3年で、前年の所得に応じた自己負担が生じる場合があります)。面談や職場との調整を通じて、本人と企業の間の橋渡しをする仕組みです。「働き始めてからが本当のスタート」という考え方は、再発への不安が強い方にとって心強い要素のひとつでしょう。

ミラトレの料金・費用
就労移行支援は障害福祉サービスなので、利用料は国の基準にもとづき、前年の世帯所得に応じた上限額が決まります。公式サイトの料金ページで示されている区分は次のとおりです(18歳以上は本人と配偶者の所得で判定)。
| 世帯の区分 | 月ごとの負担上限額 |
|---|---|
| 生活保護を受給している世帯 | 0円 |
| 市町村民税が非課税の世帯 | 0円 |
| 市町村民税が課税の世帯(所得割16万円未満) | 9,300円 |
| 上記以外 | 37,200円 |
公式サイトは、利用者の9割以上が自己負担なしで利用していると説明しています。ただし、負担額は世帯の状況で変わるため、正確な金額は市区町村の窓口、または事業所の見学・相談の際に確認してください。
- 自己負担額は前年の所得で決まり、上限額が設定されている
- 通所のための交通費は、自治体によって補助制度がある場合がある(公式サイトの解説)
- 就労移行支援は訓練の場のため、基本的に工賃や給料は発生しない
なお、公式サイトの料金ページの補助・助成の情報は2023年1月時点のものと記載されています。最新の制度は、お住まいの自治体の窓口で直接確認するのが正確です。
ミラトレのメリット
パーソルグループの知見を背景にした支援
運営するパーソルダイバースは、障害のある社員とともに働く特例子会社で、障害者向けの転職支援サービスも運営しています。公式サイトでは、障害者雇用に関する知見が利用者への支援に活かされていると説明されています。企業側の事情を理解したうえでの調整が期待できる点は、就職後の定着を考える方にとって見逃せない要素です。
健康管理を学ぶ時間がプログラムに組み込まれている
体調管理や生活習慣を振り返る講座が用意されていることは、スキル習得だけでなく自分の状態を知るきっかけになります。
見学・体験利用で相性を確かめられる
ミラトレでは、契約前に3日間程度の体験利用を勧めています。アクセスのしやすさ、支援員との相性、プログラムへの興味という3点を確認するよう、公式サイトでも案内されています。就労移行支援は安定して通所できることが大切なので、体験の機会があるのは大きな安心材料です。
手帳がなくても相談できる場合がある
公式サイトによると、障害者手帳がなくても、自治体の判断により、医師の診断と定期的な通院があれば利用できる場合があります。
ミラトレのデメリット・注意点
- 対象は「新たに一般企業への就職を目指す人」。元の職場に戻る復職が目的なら、リワークが向く場合がある
- 利用には自治体の受給者証が必要で、交付までに時間がかかる場合がある
- 通所できる範囲に事業所がないと利用しにくい(東京・神奈川・千葉・埼玉・愛知・大阪・兵庫のみ)
まず押さえておきたいのは、就労移行支援は治療ではなく、通所して働く力を身につけるサービスだという点です。体調が安定していない時期は、まず医療機関での治療や休養を優先する必要があります。通所を始めるタイミングは、主治医とも相談して決めることをおすすめします。
次に、対応エリアの制約があります。公式サイトに掲載されている事業所は7都府県で、自宅や職場の近くにあるとは限りません。通所のしやすさは継続のカギなので、実際の通勤経路を試しておくとよいでしょう。
また、公式サイトには就職率や定着率の実績が掲載されていますが、集計の対象や方法は公式で確認するのが前提です。数字だけで事業所を決めず、実際の雰囲気を見て判断することが大切です。
評価されやすい点・気になりやすい点(編集部の整理)
ここでは口コミの引用ではなく、公式サイトの情報と就労移行支援の一般的な仕組みから、編集部が整理した見方をまとめます。
評価されやすいと考えられる点
- 生活リズムや体調管理を学ぶ講座があり、働く前の土台づくりに時間をかけられる
- 個別支援計画が3か月ごとに見直され、状況の変化に合わせて目標を調整できる
- 自己負担は所得に応じた上限があり、費用面の見通しが立てやすい
気になりやすいと考えられる点
- 通所型なので、体調が不安定な時期は負担になる場合がある
- 事業所によってプログラム内容が異なり、希望の講座がない可能性がある
- 就職先は本人の希望や状況と企業側の条件によって決まり、希望どおりになるとは限らない
どちらも、実際に見学して確かめることで、自分にとっての重さが判断しやすくなります。
他の選択肢との比較(リワーク・就労継続支援との違い)
休職や離職のあとの支援には、いくつかの制度があります。ミラトレの公式サイトに掲載されている整理をもとに、違いを表にまとめました。
| 項目 | 就労移行支援 | リワーク(復職支援) | 就労継続支援A型 |
|---|---|---|---|
| 主な対象 | 一般企業への就職を希望する方 | 休職中で職場復帰を目指す方 | 一般就労が難しく、雇用契約のもとで働く方 |
| 目的 | 新たに就職するために必要な力を身につける | 元の職場などへ復職する | 働く機会と生産活動の機会を得る |
| 給料・工賃 | 基本的になし | 基本的になし | あり(雇用契約を結ぶ) |
| 利用期間 | 原則最長2年 | ミラトレリワークは原則最長2年 | 期間の定めなし |
公式サイトでは、リワークを「精神的な不調により仕事を離れた方が、再び職場復帰を目指すための支援プログラム」と説明しています。ミラトレでは、大井町と川口の事業所が「ミラトレリワーク」として専門的に対応し、他の事業所でもリワークを受けられる場合があるとされています。対象は、うつ病・適応障害・不安障害・双極性障害などで休職している方、復職を目指している方です。
一方で、離職して次の仕事を探す段階なら就労移行支援、休職中で元の職場に戻りたいならリワークというのが基本の考え方です。復職の可否や時期は、主治医や産業医、職場との相談で決まるものなので、自己判断で決めないようにしてください。医療機関のリワークプログラムなど、ほかの選択肢もあります。

申し込み・利用の流れ
公式サイトに記載されている、ご利用までの流れは次の5ステップです。
- 相談・見学の申し込み:公式サイトのフォームから、近くの事業所に問い合わせます。資料請求もできます。
- 施設見学・体験利用:見学は約1時間で、支援員が状況を聞いたうえで事業所を案内します。その場で通所を決める必要はないとされています。
- 利用の準備:通所を決めたら、自治体に受給者証を申請します。支援員が個別支援計画を作成し、手帳がなくても医師の診断と定期的な通院があれば申請できる場合があります。
- 利用契約:受給者証が交付されたら契約を結びます。
- 利用開始:個別支援計画にもとづいてトレーニングを始めます。
受給者証の交付までの期間は自治体によって異なります。公式サイトでは、その間も通所を希望すれば利用できる場合があるとされています。
失敗しない選び方のコツ
まず体調と通所の見通しを確認したい方
主治医に就労準備を始めてよいかを相談したうえで、見学や体験利用で「週に何日、何時間なら通えそうか」を確かめましょう。
再び無理をしてしまう不安が強い方
体調管理や生活習慣の講座があるか、支援員が日々の体調をどう確認するのかを見学で質問してみてください。事業所ごとにプログラムが違うため、自分が学びたい内容が実施されているかが選ぶ基準になります。
元の職場への復職を考えている方
休職中であれば、就労移行支援よりリワークのほうが目的に合う場合があります。復職の手続きや職場との調整は、主治医・産業医・職場の担当者と相談しながら進めてください。
よくある質問(Q&A)
Q. 障害者手帳がなくても利用できますか?
A. 公式サイトによると、自治体の判断により、医師の診断と定期的な通院があれば利用できる場合があります。まずは事業所か市区町村の窓口に相談してください。
Q. 費用はどのくらいかかりますか?
A. 前年の世帯所得に応じて、月ごとの負担上限額(0円・9,300円・37,200円)が決まります。公式サイトでは、ミラトレの利用者の9割が自己負担なしと説明されています。
Q. 体調が安定しない時期でも通えますか?
A. 個別支援計画で、半日通所から始めるなどペースを調整できると説明されています。ただし、通所を始めてよい時期は主治医に相談して判断してください。
Q. 見学しても、勧誘が心配です。
A. 公式サイトでは、意向確認の連絡をする場合があるものの、無理な勧誘は行っていないと説明されています。通所を決めなくても見学だけで構いません。
Q. 就職後のサポートはありますか?
A. 就職後6か月は職場定着支援があり、希望すれば7か月目以降も就労定着支援(最長3年)を利用できます。就労定着支援には、前年所得に応じた自己負担が生じる場合があります。
ミラトレはこんな方におすすめ
- うつ病・適応障害などで休職や離職を経験し、次は長く働き続けられる準備をしたい方
- 体調管理や生活リズムを、支援員と一緒に整えながら就職活動に進みたい方
- コミュニケーションや報連相に不安があり、職場に近い環境で練習したい方
- 東京・神奈川・千葉・埼玉・愛知・大阪・兵庫のいずれかで、通える事業所がある方
- 就職後の定着支援まで含めて相談できる事業所を探している方
まとめ
ミラトレは、パーソルダイバースが運営する就労移行支援事業所で、健康管理・生活管理の講座、個別支援計画、疑似就労、就職後の定着支援などを特徴としています。休職や離職のあとに、「働き続けるための土台」を整えたい方にとって、検討する価値のある選択肢です。
ただし、就労移行支援は治療の代わりではなく、利用には受給者証が必要で、事業所は一部の地域にしかありません。まずは見学と体験利用で、通いやすさと支援員との相性を確かめてください。つらい気持ちが続くときは、無理をせず、主治医や公的な相談窓口に相談してください。厚生労働省のまもろうよこころでは、電話やSNSの相談窓口を紹介しています。制度の全体像は、厚生労働省の障害福祉サービス等のページも参考になります。



