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体調やこころの不調、障害や難病がきっかけで、「すぐに就職活動を始めるのは難しい」「復職や再就職の前に、まず生活のペースを整えたい」と感じている方は少なくありません。そんなときの選択肢のひとつに、国の障害福祉サービスである「就労移行支援」があります。
この記事では、就労移行支援を行う事業所のひとつ「manaby(マナビー)」について、公式サイトで確認できた内容をもとに、在宅で利用できるコースの考え方、ITスキルの学習、対象となる方、費用、利用までの流れ、デメリットまで整理します。就労移行支援は自治体の手続きを経て使う公的なサービスなので、すべての方に合うものではありません。合うかどうかの判断材料にしてください。
なお、この記事は医療や診断に代わるものではありません。就労移行支援は症状を治すためのサービスではなく、働くための準備を支える福祉サービスです。体調面の不安があるときは、まず主治医や医療機関に相談してください。

就労移行支援manabyとは?サービス概要
manabyは、株式会社manabyが運営する就労移行支援のサービスです。公式サイトでは、障害のある方が「自分らしい働き方」を見つけるためのサポートを行うと案内されています。特徴として挙げられているのは、在宅と通所を組み合わせて学べること、独自のeラーニングでITスキルを学べること、対話を通じて一人ひとりに合わせた支援を行うことの3点です。
| サービス名 | 就労移行支援manaby(マナビー) |
|---|---|
| 運営会社 | 株式会社manaby(宮城県仙台市)/2016年6月設立 |
| サービスの種類 | 障害福祉サービスの就労移行支援(国の制度) |
| 対象 | 一般就労を目指す18歳以上65歳未満の、障害や難病のある方 |
| 主な学習内容 | 1,500以上の独自eラーニング(事務・Webデザイン・プログラミング・ビジネスマナーなど) |
| 利用期間 | 原則2年間 |
就労移行支援のサイトでは「全国に30拠点以上」と案内されています。お住まいの地域に事業所があるかは、公式サイトの事業所一覧で確認してください。
そもそも就労移行支援とはどんな制度か
就労移行支援は、障害者総合支援法にもとづく障害福祉サービスです。一般企業への就職を目指す方に、働くために必要な知識や能力を身につける訓練、就職活動のサポート、就職後の定着の支援などを行います。
ここで押さえておきたいのは、この制度が医療ではなく「働くための準備」を支える福祉サービスだという点です。症状を軽くする場ではありません。通院や服薬が必要な方は、医療とは別に、生活や働き方を整えるための選択肢として考えるのが現実的です。
対象になる方の条件
manabyの公式サイトでは、対象を「18歳以上65歳未満で、障害や難病のある、一般就労を目指す方」としています。精神障害、発達障害、知的障害、身体障害、難病が例として挙げられています。
一方で、障害者手帳がなくても、医師の診断や定期的な通院があり、自治体が認めた場合には利用できることがあると案内されています。手帳の有無だけで決まるわけではなく、最終的には自治体が判断することになります。
受給者証が必要になります
就労移行支援を利用するには、市区町村が発行する「障害福祉サービス受給者証」が必要です。公式サイトによると、受給者証の申請には、次の3つのうちいずれか1つの書類を用意します。
- 障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳・身体障害者手帳・療育手帳)
- 自立支援医療(精神通院医療)の受給者証
- 医師の診断書(意見書)
ただし、医師の診断書では申請できない自治体もあるとされているため、事前に市区町村の窓口で確認してください。
manabyで受けられる支援の中身
在宅と通所を組み合わせた訓練
公式サイトの在宅支援のページによると、パソコンを使った学習、支援員との面談、生活リズムの相談、就職活動の準備などを、自宅にいながら進めることができます。チャットやオンライン面談で支援員に相談できると案内されています。
ただし、在宅訓練は、自治体に申請して認められた場合のみ利用できます。利用の可否はお住まいの自治体の判断によるため、「在宅で通いたい」と考える方は、最初の相談の段階で確認しておきたい部分です。通所との併用や切り替えも相談できると案内されています。
独自のeラーニングでITスキルを学ぶ
学習の中心になるのは、manabyが独自に開発しているeラーニングです。公式サイトでは、1,500以上の動画があり、デザイン・Web制作、プログラミング、事務系スキル、ビジネスマナーや気持ちの整理の仕方(セルフコーチング)などの分野があると紹介されています。チャプターごとに短く区切られ、繰り返し視聴もできるとされています。
生活リズムや体調面の相談
就職準備は、スキルだけで進むものではありません。公式サイトでは、睡眠や生活リズム、疲れやすさ、ストレスへの対処といった土台づくりも支援の対象とし、体調を見ながらペースを決めると説明されています。最初から毎日の訓練が必要とは限りません。
就職活動と就職後の定着支援
応募書類の作成や面接練習、職場見学などの就職活動のサポートに加え、就職後は職場定着支援として最大6か月間のサポートを受けられると案内されています。就職の結果は個人の状況や求人によって異なります。

費用と自己負担の考え方
就労移行支援の利用料は、前年の世帯収入にもとづいて自治体が決定します。厚生労働省の「障害者の利用者負担」のページでは、障害福祉サービスの自己負担は所得に応じた4つの区分で月ごとの負担上限額が定められ、ひと月に利用したサービス量が多くても、上限を超える負担は生じないとされています。
| 区分 | 世帯の収入状況(18歳以上は本人と配偶者) | 負担上限月額 |
|---|---|---|
| 生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
| 低所得 | 市町村民税非課税世帯 | 0円 |
| 一般1 | 市町村民税課税世帯(所得割16万円未満) | 9,300円 |
| 一般2 | 上記以外 | 37,200円 |
実際の負担は、上限額の範囲内で、通所した回数や事業所の利用単価(費用の1割が自己負担)によって変わります。判定は世帯の状況や自治体によって異なるため、正確な金額は自治体の窓口か事業所で確認するのが安心です。
manabyの公式サイトでは、自己負担額0円で利用している方が約8割と案内されていますが、集計時点や対象は確認できませんでした。ご自身の自己負担は、自治体の判定で確認してください。
- 自己負担は前年の世帯収入で決まり、月ごとの上限がある
- 交通費は基本的に自己負担(助成制度がある自治体もある)
生活費の面では、障害年金や傷病手当金といった制度を使える場合もあります。条件は制度ごとに異なるため、気になる方は次の解説も参考にしてください。

長く働けない状態が続く場合は、障害年金の対象になるかを調べる方もいます。



制度の全体像は、厚生労働省の障害者の利用者負担のページで確認できます。
利用できる期間と、使えないケース
利用期間は原則2年間です。公式サイトによると、状況によっては延長できる場合もありますが、可否や期間は就職活動の状況などから自治体が判断します。再利用も可能ですが、自治体によっては認められないことがあります。
注意したいのは、働きながらの利用は基本的にできないことです。公式サイトでは、アルバイトやパートも自治体の判断で認められないケースが多く、利用中のアルバイトは禁止と案内されています。判明した場合、サービス料の返還を求められることがあるとも書かれています。
休職中の方は、会社に在籍している場合は基本的に利用できません。ただし、厚生労働省のQ&Aにもとづく条件(リワーク支援が見込めない、企業と主治医が復職に必要と判断している等)を満たすと、市区町村の判断で利用できることがあると案内されています。
manabyのメリット
自宅での学習から始められる可能性がある
外出に負担がある時期でも、自治体が認めれば在宅で訓練を始められます。生活リズムを整えたい方にとって、現実的な入口になります。
ITスキルを自分のペースで学べる
1,500以上の動画から、事務・Webデザイン・プログラミングなどを選んで学べます。個別に進める形が紹介されており、人と同じペースを求められることに疲れやすい方には向く場合があります。
対話を通じて働き方を整理できる
得意・苦手、必要な配慮、向いている働き方を支援員と整理できるとされています。仕事が続かなかった理由を振り返り、次は何に気をつけるかを言葉にする時間として使えます。
相談から始められ、見学や体験ができる
相談・見学、体験利用を経て利用先を決める流れが公式サイトで示されています。雰囲気を見てから判断できる点は安心材料です。
manabyのデメリット・注意点
- 受給者証の取得が必要で、自治体の判断によっては利用できない場合がある
- 在宅訓練が認められるかは自治体次第
- 利用中の就労(アルバイトなど)は基本的にできない
- 所得によっては自己負担が発生する
デメリットとしてまず挙げたいのは、手続きの手間です。申し込みから利用開始までに、受給者証の申請とサービス等利用計画の作成が入るため、すぐに通い始めることはできません。スタッフが申請をサポートすると案内されていますが、書類の準備や自治体とのやりとりは、体調が不安定な時期には負担になることがあります。
次に、学習内容がITや事務に比重のあるサービスだという点です。関心が持てない場合は、学習がかみ合わない可能性があります。また、通える範囲に事業所がなければ、在宅訓練が認められるかどうかが利用の分かれ目になります。
さらに、就労移行支援は「合う・合わない」の差が出やすい制度です。支援員との相性や訓練のペースは事業所ごとに違うため、見学や体験利用で確かめることが欠かせません。
評価されやすい点・気になりやすい点(編集部の整理)
評価されやすいと考えられる点
- 在宅訓練の選択肢があり、通所のハードルが高い時期にも相談しやすい
- eラーニングの分野が幅広く、事務からWeb・プログラミングまで選べる
気になりやすいと考えられる点
- 在宅の可否・費用・期間が自治体の判断に左右される
- 就職の結果は個人差が大きく、支援を受けても希望どおりになるとは限らない
他の支援との違いをざっくり整理する
似た名前の制度が多いので、manabyの公式サイトでの説明に沿って、違いを整理します。
| 制度 | 目的 | イメージ |
|---|---|---|
| 就労移行支援 | 一般企業で働くための準備をする | スキル習得・就職活動・定着支援を受ける |
| 就労継続支援(A型・B型) | 体調に合わせて働きながら、働く練習をする | A型は雇用型、B型は非雇用型 |
| ハローワーク(障害者専門窓口) | 求職者と企業をつなぐ | 求人紹介や応募書類の添削が中心 |
すでに働いている方には、地域障害者職業センターや障害者就業・生活支援センターが案内されています。どれを選ぶかは、「一般企業への就職を目指すか」「いまの職場への復職を目指すか」で変わるため、主治医や自治体の窓口と一緒に考えてください。
申し込みから利用開始までの流れ
公式サイトで案内されている基本の流れは、次の7ステップです。地域によって手続きが異なることがあるため、最寄りの障害福祉課や市区町村の窓口にも確認してください。
- 相談・見学の申し込み(電話またはウェブサイト)
- 相談・見学(個別相談。ご家族や関係機関の方と参加することも可能)
- 体験利用(実際のプログラムに参加して雰囲気を確かめる)
- 利用先の決定
- 障害福祉サービス受給者証の申請(自治体の窓口。スタッフが支援)
- 相談支援事業所による「サービス等利用計画」の作成(セルフプランも可否は自治体に確認)
- 利用契約・利用開始
まずは相談・見学から始められるため、契約の前に事業所の雰囲気や説明を聞くことができます。相談や体験利用の費用・条件は、事業所に直接確認してください。


失敗しないための選び方のコツ
通えるかどうかを重視したい方
公式サイトでも、選ぶときは「ストレスが少なく、無理なく続けられるか」が前提とされています。見学では、通いやすさ、支援内容、事業所の雰囲気を確かめてください。
在宅で始めたい方
在宅訓練が認められるかは自治体次第です。申し込みの前に、自治体の窓口と事業所の両方で条件を確認しておくと、手戻りが減ります。
いまの職場への復職を考えている方
就労移行支援は、原則として会社に在籍していない方が対象です。復職が目的なら、会社や主治医、リワーク支援の有無を先に確認するほうが遠回りになりにくくなります。
よくある質問(Q&A)
Q. 障害者手帳がなくても利用できますか?
A. 手帳がなくても、医師の診断や定期的な通院があり、自治体が認めた場合は利用できることがあると案内されています。まず自治体の窓口で確認してください。
Q. 働きながら通えますか?
A. 基本的にできません。アルバイトも禁止と案内されています。すでに働いている方には、地域障害者職業センターなどが案内されています。
Q. パソコンが苦手でも大丈夫ですか?
A. 基本的な操作から少しずつ学べると案内されています。WordやExcelなどの基本から、本人のスキルや目標に合わせて進めるとされています。
Q. 毎日通う必要がありますか?
A. 最初から毎日訓練する必要はなく、体調や生活リズムを見てペースを決めると案内されています。
Q. 学生でも利用できますか?
A. 原則は卒業して就職を目指す方が対象ですが、市区町村の判断で利用できることもあると案内されています。
就労移行支援manabyはこんな方に向いています
- 体調やこころの不調、障害・難病により、いきなり就職や復職をするのが不安な方
- 生活リズムを整えながら、少しずつ働く準備を進めたい方
- パソコンやITスキルを身につけて、事務やIT系の仕事を検討したい方
- 相談・見学・体験を経て、納得してから決めたい方
まとめ
就労移行支援manabyは、障害福祉サービスの就労移行支援のひとつで、在宅と通所を組み合わせた訓練、独自のeラーニング、個別の対話を通じた支援が特徴として案内されています。一方で、受給者証の取得、自治体の判断、働きながら利用できない点など、事前に知っておきたい条件もあります。
自分が対象になるか、在宅が認められるか、自己負担がいくらになるかは、自治体と事業所の両方に確認するのが近道です。就労移行支援は医療の代わりではなく、生活や働き方を整える選択肢のひとつにすぎません。合うかどうかは、相談・見学・体験で実際に確かめてから決めましょう。制度の概要は、厚生労働省の障害福祉サービスの内容のページでも確認できます。


