夕方になると頭が重くなる。締めつけられるような痛みが一日中続く。忙しい週を乗り切った途端、ズキズキする痛みで動けなくなる――ストレスと頭痛は、多くの方が結びつきを実感している組み合わせです。
ただし、頭痛と一口に言ってもタイプは分かれ、タイプによって向いている対処法が正反対になることもあります。温めるべき頭痛と、冷やして暗い場所で休むべき頭痛があるのです。自己流で対処して悪化させてしまうケースは珍しくありません。
ここでは、ストレスが関わりやすい頭痛のタイプを整理したうえで、それぞれにおすすめの対処法、日常の予防、そして受診が必要なサインまでをまとめます。
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ストレスが関わりやすい頭痛の2つのタイプ
頭痛には、明らかな病気が背景にない「一次性頭痛」と、脳や体の病気が原因で起こる「二次性頭痛」があります。ストレスと関連が語られるのは主に一次性頭痛で、その代表が緊張型頭痛と片頭痛です。
緊張型頭痛:締めつけられるような痛み
頭全体、あるいは後頭部から首にかけて、輪で締めつけられるような鈍い痛みが続くタイプです。両側に出ることが多く、肩こりや首のこりを伴いやすいのが特徴です。吐き気や光への過敏さは強く出ないことが多いとされています。
姿勢の固定やストレスによって首・肩まわりの筋肉が緊張し、血流が滞ることが関わっていると考えられています。デスクワークが長い方、緊張を抱えたまま過ごす時間が長い方に多く見られます。
片頭痛:脈打つような強い痛み
頭の片側(両側のこともあります)がズキンズキンと脈打つように痛み、体を動かすと悪化するタイプです。吐き気や嘔吐を伴い、光や音、においに敏感になることがあります。数時間から数日続き、その間は仕事や家事が手につかなくなることも珍しくありません。
興味深いことに、片頭痛はストレスがかかっている最中よりも、緊張から解放されたタイミングで起こりやすいとされています。週末や仕事が一段落した後に決まって頭痛が来るという方は、このタイプの可能性があります。
両方が混ざることもある
緊張型頭痛と片頭痛の両方を持っている方もいます。この場合、どちらの発作なのかによって取るべき対処が変わるため、痛み方や随伴症状を記録しておくと役立ちます。

タイプ別・おすすめの対処法
緊張型頭痛のときは「温める・ほぐす・動かす」
筋肉の緊張と血流の滞りが関わっているため、温めて緩める方向の対処が向いています。
- 首の後ろから肩にかけて温める。電子レンジで温めるタイプの肩用ホットパックや、蒸気タイプのホットアイマスクが使いやすい
- 入浴で全身を温め、湯船の中で肩を回す
- 1時間に一度は席を立ち、首をゆっくり回す・肩甲骨を寄せる
- 冷える季節はネックウォーマーで首元の冷えを防ぐ
- デスク環境を見直す。ノートPCスタンドで画面の高さを目線に合わせるだけでも首の角度が変わる
長時間うつむいた姿勢で作業を続けるのは、首まわりにとってかなりの負担です。同じ姿勢を続けないことが、緊張型頭痛の対策では大きな比重を占めます。仕事の合間に立ち上がるのが難しいという困りごとがあるなら、タイマーで区切りを作るのが現実的です。
片頭痛のときは「冷やす・暗くする・動かない」
片頭痛の最中に温めたりマッサージしたりすると、かえって痛みが強まることがあります。逆の対応が必要です。
- 痛む側のこめかみを保冷ジェルパックなどで冷やす
- 光と音の刺激を避け、暗く静かな部屋で横になる
- 体を動かすと悪化するため、無理に活動しない
- まぶしさがつらい場合は、遮光性の高いアイマスクやサングラスで刺激を減らす
- 入浴やマッサージは、発作が治まってから
共通してできること
どちらのタイプでも、水分をとる、カフェインを取りすぎない、目を休めるといった基本は役立ちます。画面を見る時間が長い方は、ブルーライトカット眼鏡や画面の輝度調整で目の負担を減らす方法もあります。
デスクワーク中心の人が見直したい「頭痛が起きる姿勢」
緊張型頭痛に悩む方の多くが、長時間のパソコン作業やスマートフォンの使用と切り離せない生活を送っています。頭は体重の約1割ほどの重さがあり、それを支える首は、うつむく角度が大きくなるほど負担が増していきます。
画面の位置を目線に近づける
ノートパソコンをそのまま机に置くと、画面は目線よりかなり下になります。結果として一日中うつむいた姿勢が続き、首の後ろ側の筋肉が張り続けることになります。スタンドや台で画面を持ち上げ、外付けキーボードを組み合わせると、首の角度が楽になりやすくなります。
座り方より、動く回数
正しい姿勢を保とうとして力み続けると、それ自体が筋肉の緊張を生みます。姿勢を完璧にすることより、同じ姿勢でいる時間を短く区切ることのほうが現実的です。45分から60分に一度、立ち上がって水を汲みに行く程度でも意味があります。
目の疲れも首に響く
画面を凝視していると、まばたきが減って目のまわりの筋肉が疲れます。この疲れは後頭部の張りにつながることがあります。遠くを数十秒眺める、目を閉じて休ませるといった短い休憩を挟んでみてください。夜であれば、蒸気の出るタイプのアイマスクで目元を温める方法もあります。
スマートフォンを見る高さ
机に置いたスマートフォンをのぞき込む姿勢は、首にとってかなりの負担です。持ち上げて目線の高さに近づけるだけで角度が変わります。通勤中や休憩中の数十分が、毎日積み重なると差になります。
薬との付き合い方で気をつけたいこと
市販の鎮痛薬は頭痛の場面で広く用いられていますが、使い方には注意が必要です。鎮痛薬を月に10日以上使う状態が続くと、薬の使用そのものが頭痛を起こしやすくする「薬剤の使用過多による頭痛」につながることがあると指摘されています。
「痛くなりそうだから先に飲む」「効かないから量を増やす」といった使い方をしている方は、一度医師や薬剤師に相談してください。服用の頻度と量を記録しておくと、相談時に状況が伝わりやすくなります。効果や適した薬には個人差があるため、自己判断で続けないことが大切です。

頭痛を起こしにくい生活に整える
頭痛ダイアリーをつける
いつ、どんな痛みが、どのくらい続いたか。その前に何をしていたか。食べたもの、睡眠時間、天候、仕事の状況。記録が溜まると、自分の頭痛の引き金が見えてくることがあります。スマートフォンのメモでも紙の手帳でも構いません。受診の際にも役立ちます。
睡眠のリズムを一定に保つ
睡眠不足も寝すぎも頭痛の引き金になりえます。特に片頭痛では、休日の寝だめが発作につながるという声があります。起床時刻をできるだけそろえることが、予防の一つとして意識されています。
睡眠のリズムを整えるなかで、枕やマットレスなど寝る環境を見直したい方もいるかもしれません。GOKUMINは、枕やマットレス、敷きパッドなどの寝具を扱う公式オンラインストアで、枕は4千円台から選べます。寝具は医療機器ではなく、頭痛をやわらげるものではありません。頭痛が続くときは医療機関への相談を優先し、環境づくりの選択肢として公式サイトをのぞいてみてください。

食事を抜かない
空腹は片頭痛の引き金の1つとされています。忙しくて昼食を抜きがちな方は、ゼリー飲料やナッツなど手軽に口にできるものを常備しておくとよいでしょう。
ストレスそのものを減らす
頭痛の対処法をいくら覚えても、負荷が続いていれば頭痛も続きます。業務量、人間関係、睡眠時間。変えられそうな部分を1つ選んで手をつけることが、遠回りに見えて、結果的に助けになることがあります。職場のストレス状況については、厚生労働省のこころの耳に相談窓口や制度の情報がまとまっています。
すぐに受診すべき頭痛のサイン
次のような頭痛は、脳の病気など緊急性の高い原因が隠れている可能性があります。様子を見ずに医療機関を受診してください。
- 突然、これまで経験したことのない激しい痛みが起きた
- 発熱、首の硬さ、嘔吐を伴う
- 手足のしびれ、力が入らない、ろれつが回らない、意識がはっきりしない
- 頭を打った後に起きた頭痛
- 日を追うごとに痛みが強くなっている、頻度が増えている
- 50歳を過ぎてから初めて頭痛が起きるようになった
緊急性が高いと感じる場合は救急を受診してください。そうでない場合の相談先は、脳神経内科・脳神経外科・頭痛外来が中心になります。近くにない場合は、まず内科で相談し、必要に応じて紹介してもらう流れでも構いません。
気分の落ち込みや不安が強く、頭痛と併せてつらい場合は、心療内科での相談も選択肢になります。健康全般の基礎情報はe-ヘルスネット、こころの不調全般の相談先はみんなのメンタルヘルスで確認できます。
ストレスと頭痛に関するよくある質問
Q. 自分の頭痛がどちらのタイプか判断できません。
A. 痛み方(締めつけか、脈打つか)、部位(両側か片側か)、体を動かしたときに悪化するか、吐き気や光への過敏さがあるか。この4点を記録して受診時に伝えると、医師が判断しやすくなります。両方が混在することもあるため、自己判断で決めつけないほうが安全です。
Q. マッサージに行けば楽になりますか?
A. 緊張型頭痛では首肩のこりが軽くなることで楽に感じる方がいます。一方、片頭痛の発作中は刺激で悪化することがあるため、痛みが出ているときは避けたほうが無難です。
Q. コーヒーは頭痛によいのですか、悪いのですか。
A. カフェインで一時的に痛みが和らぐことがある一方、日常的に大量に摂取していると、切らしたときに頭痛が出ることがあります。量を一定に保ち、増やしすぎないのが現実的な付き合い方です。
Q. 天気が崩れる前に頭痛が出ます。気のせいでしょうか。
A. 気圧や気温の変化が頭痛の引き金になるという訴えは多く聞かれます。天気予報と頭痛ダイアリーを照らし合わせると傾向が見えることがあり、天候が崩れそうな日は予定を詰め込まないといった備え方ができます。
Q. 頭痛外来はどんなときに行けばよいですか?
A. 市販薬でしのぐ日が増えている、月に何度も寝込む、生活や仕事に支障が出ている。こうした場合は専門的な相談が向いています。予防的な治療という選択肢が示されることもあります。


まとめ:タイプを見極めてから手を打つ
ストレスが関わる頭痛には、締めつけられる緊張型頭痛と、脈打つ片頭痛という代表的な2つのタイプがあります。緊張型には温めてほぐす対処、片頭痛には冷やして静かに休む対処が向いており、取るべき行動が逆になる場面があることを覚えておいてください。
日常では、頭痛ダイアリーで引き金を把握する、睡眠リズムを保つ、食事を抜かない、姿勢を固定しないといった積み重ねが、予防の一つとして意識されています。鎮痛薬の使用が月に10日以上に増えている場合は、使い方の見直しが必要なサインです。
そして、突然の激しい痛み、発熱やしびれを伴う痛み、日ごとに強まる痛みは、様子を見ずに医療機関へ。頭痛の相談先は脳神経内科・脳神経外科・頭痛外来が中心です。無理に耐えず、専門家の力を借りてください。
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