「胸のあたりがザワザワして落ち着かない」「考えても仕方ないとわかっているのに、頭から離れない」――そんなとき、指先で顔や体のポイントを軽くトントンと叩くEFTタッピングというセルフケアが知られています。
道具もお金もかからず、座ったままでも立ったままでも、数分あればひと通り試せるのが特徴です。ここでは、EFTタッピングの基本的な考え方から、叩く場所、唱える言葉の作り方、続けるためのコツまでを順番に整理していきます。
なお、EFTタッピングは医療行為ではなく、あくまで気持ちを整えるためのセルフケアの一つです。つらい状態が続いている場合の相談先についても、後半でふれます。
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EFTタッピングとは?指先で経穴を軽く叩くセルフケア
EFTは「Emotional Freedom Techniques(感情解放のテクニック)」の頭文字をとった呼び名です。東洋医学で使われる経穴(いわゆるツボ)にあたる場所を指先で軽くタップしながら、今感じている気持ちを言葉にしていく、という組み合わせでできています。
「針を使わない鍼のようなもの」と紹介されることもあり、心理系のセルフケアの中では比較的とっつきやすい部類に入ります。特別な道具がいらず、覚えてしまえば自宅でも職場の休憩中でも試せるのが、続けやすいと言われる理由です。
ただし、効果の感じ方には個人差があり、誰にでも同じ変化が起きるわけではありません。「気持ちを落ち着けるための選択肢が一つ増える」くらいの気持ちで取り入れるのがちょうどよい距離感です。

EFTタッピングの基本の流れは4ステップ
やり方はいくつかの流派がありますが、共通しているのは次の4つの流れです。まずは全体像をつかんでおきましょう。
ステップ1:テーマを決めて「不快度」を数字にする
最初に、今いちばん気になっていることを一つだけ選びます。「明日の会議が不安」「あの人の言い方が引っかかっている」など、できるだけ具体的なほうが扱いやすくなります。
次に、その気持ちの強さを0(まったく気にならない)から10(これ以上ないくらいつらい)までの数字で自分に聞いてみます。深く考え込まず、パッと浮かんだ数字で構いません。この数字が、後で変化を確かめるときの目印になります。
目印にする以上、どこかに残しておかないと後から比べられません。テーマと数字だけを書き留める用のノートを1冊決めておくと、それだけで振り返りができるようになります。
ステップ2:セットアップの言葉を3回唱える
手刀部(手のひらの小指側、空手チョップをするときに当たる部分)をトントンと叩きながら、次のような形の文を3回口に出します。
「私は◯◯(気になっていること)だけれども、そんな自分をそのまま受け入れます」
例:「私は明日の会議が不安だけれども、そんな自分をそのまま受け入れます」
ポイントは、無理にポジティブな言葉に置き換えないことです。「不安じゃない」と言い聞かせるのではなく、不安を感じている自分をそのまま置いておく、というのがこの言葉の役割になります。声に出しにくい環境なら、小さなつぶやきや心の中で唱える形でも大丈夫です。
ステップ3:ポイントを順番にタップする
人差し指と中指の2本をそろえ、各ポイントを1か所につき5〜7回ほど、軽くトントンと叩きます。強く叩く必要はまったくなく、皮膚が軽くはずむくらいの力加減で十分です。叩きながら、「明日の会議が不安」といった短いフレーズ(リマインダーフレーズ)を繰り返します。
左右どちらの手で叩いても、体の左右どちら側を叩いても構いません。やりやすいほうを選んでください。
ステップ4:もう一度、不快度を数字にする
ひと通り終わったら、深呼吸をして、最初のテーマをもう一度思い浮かべます。そのうえで、0〜10の数字をもう一度つけてみましょう。数字が下がっていれば、それが変化のサインです。まだ高いままなら、同じ手順をもう1〜2周繰り返します。
変わらないこともありますが、それは失敗ではありません。テーマが漠然としすぎている、あるいは別の気がかりが後ろに隠れている、というだけのこともあります。
タッピングするポイントの位置を一覧で確認
いわゆる「基本のレシピ」と呼ばれる順番です。上から下へ流れるように並んでいるので、覚えてしまえば見なくても回せるようになります。
| 順番 | 場所 | 目印 |
|---|---|---|
| 準備 | 手刀部 | 手のひらの小指側のふくらみ |
| ① | 頭頂 | 頭のてっぺん(指をそろえて軽く) |
| ② | 眉頭 | 眉の内側の端、鼻の付け根寄り |
| ③ | 目尻の横 | こめかみ寄りの骨の上 |
| ④ | 目の下 | 瞳の真下、骨のふち |
| ⑤ | 鼻の下 | 鼻と上唇のあいだのくぼみ |
| ⑥ | あご | 下唇と顎先のあいだのくぼみ |
| ⑦ | 鎖骨下 | 鎖骨の内側の下のくぼみ |
| ⑧ | 脇の下 | 脇から手のひら1つ分ほど下 |
目のまわりは皮膚が薄いので、力を入れず、指の腹でそっと触れる程度にとどめてください。爪を立てる、強く押し込む、といった叩き方はおすすめできません。
唱える言葉は「きれいにまとめない」のがコツ
EFTでつまずきやすいのが、言葉の作り方です。よくあるのが、「こんなことで悩むのは大人げない」と考えて、当たり障りのない表現に整えてしまうパターンです。
しかし、実際にしっくりくるのは自分が心の中で使っている、生々しいままの言葉だと感じる方が多いようです。「モヤモヤする」ではなく「あの一言がずっと胸に刺さっている」、「疲れた」ではなく「もう何もしたくないくらい消耗している」というように、解像度を上げてみてください。
強いショック体験やトラウマに関わるテーマを一人で扱うと、かえって気持ちが揺さぶられることがあります。そうしたテーマは、専門の支援者と一緒に扱うほうが安心です。
続けるための環境づくりと、あると助かるもの
「やってみたけど三日坊主で終わった」という声は少なくありません。そもそもEFTタッピングはひと通り終えるまでに数分かかり、気持ちがざわついているときほど、始める気力が湧きにくいという矛盾を抱えています。ここを乗り越えるには、意志ではなく環境で解決するのが早道です。
記録を残すと変化が見えるようになる
0〜10の数字は、記録して初めて意味を持ちます。日付・テーマ・前後の数字だけを書き留める用途なら、A5サイズの方眼ノートや、1日1ページ形式のシンプルな日記帳が扱いやすいでしょう。スマホのメモでも構いませんが、通知が目に入って気が散るという方には紙のほうが向いています。
音と香りで「始める合図」をつくる
自宅で行うなら、始める前にいつも同じ準備をすると習慣化しやすくなります。ラベンダーやベルガモットなどのアロマオイルと超音波式のアロマディフューザーを組み合わせて香りをスイッチにする、ノンカフェインのルイボスティーやカモミールティーを一杯用意する、といった小さな儀式が呼び水になります。
香りが苦手な方は、飲みもののほうを合図にする方法もあります。ノンカフェインのものを選んでおけば、夜に行う日でも時間を気にせず済みます。
床に座って行うなら下に一枚
フローリングに直接座ると、数分で足やお尻が痛くなって集中が途切れます。厚さ6mm以上のヨガマットや、低反発素材の座布団を一枚敷いておくと、姿勢を保ちやすくなります。

変化を感じにくいときに見直したい5つのポイント
ひと通りやってみて数字が動かないときは、次の点を確認してみてください。
1. テーマが大きすぎる
「人生がうまくいかない」のような漠然としたテーマは、扱う範囲が広すぎて焦点が定まりません。「今週の月曜の朝が憂うつ」など、場面を一つに絞ってみましょう。
2. 頭で考えているだけで、体の感覚を見ていない
「胸が詰まる」「みぞおちが重い」など、体のどこにどんな感じがあるかを言葉にすると、テーマの輪郭がはっきりします。
3. 周回数が足りない
1周で終わらせず、数字が下がるまで2〜3周は続けてみてください。途中で別の感情が出てきたら、そちらをテーマに切り替えても構いません。
4. 静かに集中できる状況ではない
テレビがついている、家族の話し声が聞こえる、という環境では言葉に集中しにくくなります。数分でよいので、一人になれる時間を確保しましょう。
5. 睡眠不足や過労が土台にある
体が消耗しているときは、どんなセルフケアも入っていきにくくなります。眠れていない状態が続いているなら、まず睡眠を整えることが先です。
睡眠を整えるといっても、いきなり生活全体を変える必要はありません。寝室の光が気になっているなら、アイマスクのようにその日から試せるものから手をつけるほうが現実的です。
睡眠を整える土台づくりとして、寝具を見直す方法もあります。NELLマットレスは、へたりが出た場合の10年保証(3cm以上のへたりが対象)と、届いてから120日間試せるフリートライアルが付いた通販のマットレスです。寝具は医療機器ではなく、眠れない状態が続くときは医療機関に相談してください。詳しい条件は公式サイトで確認できます。

EFTタッピングを行うときの注意点
- EFTタッピングは治療法ではなく、気持ちを整えるためのセルフケアの一つです
- すでに通院中・服薬中の方は、自己判断で治療を変更せず、主治医に相談してください
- 強く叩く、長時間続ける、といった無理なやり方は避けてください
- 行っている最中に気分が悪くなった場合は中止し、休憩をとってください
気になる症状が2週間以上続いている場合は、セルフケアだけで抱え込まず、医療機関へ相談してください。どこに相談すればよいか迷うときは、厚生労働省のこころの耳に、働く方向けの相談窓口がまとめられています。また、こうした補完的なアプローチ全般については、厚生労働省の「統合医療」情報発信サイト(eJIM)が、研究状況を中立的な立場で紹介しています。
EFTタッピングに関するよくある質問
Q. 1回にどのくらいの時間がかかりますか?
A. 1周で1〜2分程度、数字が下がるまで数周行っても5〜10分ほどが目安です。慣れてくると、通勤中や休憩時間にも短く回せるようになります。
Q. 声に出さないと意味がありませんか?
A. 声に出したほうが感覚をつかみやすいと言われますが、環境的に難しい場合は心の中で唱える形でも構いません。まずは続けられるやり方を優先してください。
Q. 叩く場所を間違えていないか不安です。
A. ポイントの位置は多少ずれても問題ありません。おおよその場所に指が触れていれば大丈夫なので、細かい正確さより、気持ちを言葉にすることに意識を向けてみてください。
Q. 子どもと一緒にやってもいいですか?
A. 力加減に気をつければ、家族で一緒に行っている方もいます。ただし、嫌がるときに無理をさせないこと、体調に不安があるときは控えることを心がけてください。
Q. カウンセリングに通いながら試しても大丈夫ですか?
A. 併用している方もいますが、扱っているテーマによっては影響することもあります。すでに支援を受けている場合は、担当の方に一言伝えてから取り入れると安心です。
Q. どのくらい続ければいいですか?
A. 期間の決まりはありません。気になることが出てきたときに使う「道具」として持っておき、必要なときに取り出す、という使い方で十分です。
まとめ:数分でできる、自分をなだめる手段を一つ持っておく
EFTタッピングは、指先で経穴にあたる場所を軽く叩きながら、今の気持ちを言葉にしていくセルフケアです。テーマを決めて数字をつけ、セットアップを唱え、8か所を順番にタップし、もう一度数字をつける――流れはこれだけで、道具もいりません。
大切なのは、うまくやろうとせず、感じていることをそのまま扱うことです。数字が動かない日があっても構いません。「自分をなだめる手段を一つ持っている」という感覚そのものが、日々の支えになっていきます。
そして、つらさが長く続くときは、一人で抱えない選択も同じくらい大切です。ゆっくり、自分のペースで整えていきましょう。
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- ✅ 取り扱いは第二類・第三類医薬品
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