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うつ病で傷病手当金を申請する方法|条件・金額・手続きを完全解説
「休職したいけど、お金が心配で踏み切れない」「傷病手当金って聞いたことはあるけど、自分が対象なのかわからない」――この不安を抱えて休職をためらっている方は多いのではないでしょうか。
傷病手当金は、病気やケガで働けなくなった会社員の生活を支える健康保険の制度です。給与の約3分の2を最長1年6ヶ月(通算)受け取ることが可能で、うつ病などの精神疾患も支給対象に含まれます。
この記事では、傷病手当金の受給条件、支給額の計算方法、具体的な申請手順、退職後の受給、そしてよくある疑問まで詳しく解説します。制度の仕組みを知るだけで、休職のハードルは大きく下がるはずです。
傷病手当金とは|制度の概要
病気で働けない間の所得保障制度
傷病手当金は、健康保険に加入している方が業務外の病気やケガで働けなくなった際に、生活を保障するために支給される制度です。うつ病、適応障害、パニック障害など、精神疾患全般が支給対象に含まれます。
国民健康保険には原則としてこの制度がないため、会社員や公務員など、被用者保険に加入している方が対象となります。
傷病手当金と他の制度との違い
似たような制度と混同しやすいため、違いを整理しておきましょう。
- 傷病手当金:健康保険から支給。業務外の病気やケガが対象
- 労災保険:業務上の病気やケガが対象。業務が原因のうつ病は労災の対象になることもある
- 障害年金:年金制度から支給。長期にわたって障害状態にある場合が対象
受給するための5つの条件
傷病手当金を受け取るには、以下の5つの条件をすべて満たす必要があります。
条件1:会社の健康保険に加入していること
協会けんぽや健康保険組合などの被用者保険に加入していることが前提です。国民健康保険は原則として対象外です。
条件2:業務外の傷病であること
仕事中のケガや業務が直接の原因となる病気は労災保険の対象となるため、傷病手当金の対象にはなりません。ただし、うつ病の場合は業務との因果関係の判断が難しいケースもあるため、まずは主治医に相談することをおすすめします。
条件3:連続3日以上の欠勤(待期期間)があること
傷病手当金が支給されるには、連続3日間の「待期期間」を経る必要があります。この3日間には有給休暇を取得した日や、土日祝日などの公休日も含まれます。4日目から支給対象になります。
条件4:医師が「労務不能」と認めていること
主治医が「働くことができない状態」と判断していることが必要です。申請書の中で医師が意見を記入する欄があり、ここに「労務不能」と記載されることが支給の前提となります。
条件5:休職中に給与が支払われていないこと
給与が全額支払われている場合は支給されません。ただし、給与の一部が支払われていて、その額が傷病手当金の日額より少ない場合は、差額が支給されます。

支給額の計算方法と月給別の目安
基本の計算式
傷病手当金の1日あたりの支給額は、以下の計算式で算出されます(記事執筆時点の制度内容です)。
支給開始日以前12ヶ月の標準報酬月額の平均 ÷ 30 × 2/3 = 1日あたりの支給額
月給別のおおよその目安
- 月給20万円の方 → 約13.3万円/月
- 月給25万円の方 → 約16.7万円/月
- 月給30万円の方 → 約20万円/月
- 月給35万円の方 → 約23.3万円/月
- 月給40万円の方 → 約26.7万円/月
正確な金額は全国健康保険協会(協会けんぽ)のサイトでシミュレーションできます。加入期間が12ヶ月に満たない場合は、加入期間の平均か、協会けんぽの全被保険者の平均のいずれか低い方で計算されます。
支給期間
支給開始日から通算して最長1年6ヶ月です。「通算」のため、途中で復職して再度休職した場合でも、実際に支給された日数だけがカウントされます。復職期間中はカウントされないため、制度をより長く活用できるようになっています。
申請の具体的な手順
ステップ1:申請書を入手する
加入している健康保険組合のホームページからダウンロードするか、会社の総務担当者に問い合わせて入手します。協会けんぽの場合は「傷病手当金支給申請書」という名称です。
ステップ2:本人記入欄を記入する
被保険者記入欄に、氏名・住所・振込先口座・申請期間などを記入します。記入方法がわからない場合は、健康保険組合の窓口に問い合わせれば教えてもらえます。
ステップ3:医師に記入してもらう
申請書の「療養担当者が意見を記入するところ」を主治医に記入・押印してもらいます。費用は300〜1,000円程度です。診察の際に依頼するとスムーズです。
ステップ4:会社に記入してもらう
「事業主が証明するところ」を会社の総務や人事担当者に記入してもらいます。休職期間や給与の支払い状況を証明する内容です。
ステップ5:健康保険組合に提出する
すべて記入された申請書を健康保険組合に提出します。郵送での提出も可能です。
ステップ6:審査後に支給
提出から2〜4週間程度で指定の口座に振り込まれるのが一般的です。初回は手続きに時間がかかることもあるため、休職開始後はなるべく早めに申請準備を始めましょう。
傷病手当金は事後申請が基本です。休んだ期間が過ぎてから申請するため、1ヶ月ごとに申請するのが一般的です。また、時効は「労務不能で休んだ日ごとにその翌日から2年」です。早めの申請を心がけましょう。

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よくある疑問にお答えします
Q. 退職後も受け取れる?
条件を満たせば可能です。退職日までに継続して1年以上健康保険に加入していた場合、退職後も残りの期間分を受給できます。ただし、退職日に出勤してしまうと受給資格を失う場合があるため注意が必要です。また、退職後は任意継続被保険者としての傷病手当金は支給されません。
Q. 税金はかかる?
傷病手当金は非課税です。所得税も住民税もかからないため、支給額がそのまま手取りになります。確定申告の必要もありません。
Q. 有給休暇との関係は?
有給休暇を使っている間は給与が発生するため、傷病手当金は支給されません。有給を使い切ってから傷病手当金に切り替えるのが一般的な流れです。ただし、待期期間の3日間に有給を充てることは可能です。
Q. ボーナスは影響する?
休職中にボーナスが支給された場合、その期間の傷病手当金との調整が行われることがあります。詳細は加入している健康保険組合に確認してください。
Q. 障害年金と同時にもらえる?
障害年金と傷病手当金を同時に受給する場合、傷病手当金が調整されます。障害年金の日額が傷病手当金の日額より少ない場合は、差額が支給されます。障害年金について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

Q. うつ病が再発した場合は?
同一の病気で再度休職する場合、支給期間は通算されます。ただし、一度完全に回復して復職し、その後別の原因で再発した場合は、新たな傷病として新たに1年6ヶ月の支給を受けられる可能性があります。判断は保険者(健康保険組合)が行います。
申請で気をつけるべきポイント
早めの準備が大切
休職が決まったら、すぐに傷病手当金の申請準備を始めましょう。初回の申請は書類の入手・記入・提出に時間がかかるため、早めに動いたほうが支給までの空白期間を短くできます。
会社の総務と連携する
申請書には会社の証明欄があるため、総務担当者との連絡は避けられません。やり取りの頻度や方法(メール・電話など)を最初に決めておくと、お互いの負担を減らせます。
記録をつけておく
申請のたびに必要な情報(休職期間、給与の有無など)を正確に記載する必要があるため、カレンダーなどに記録をつけておくと便利です。
休職手続きの具体的な流れは以下の記事で解説しています。



復職に向けた具体的なステップは以下の記事も参考にしてください。



詳しい制度内容は全国健康保険協会(協会けんぽ)のサイトで確認できます。自立支援医療制度については厚生労働省も参考になります。
傷病手当金を受給中に知っておきたいこと
社会保険料の支払いは続く
休職中も健康保険料や厚生年金保険料の支払いは継続します。会社が立て替えてくれるケースが多いですが、復職後にまとめて天引きされたり、休職中に振込を求められたりする場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
住民税の支払い
住民税は前年の所得に基づいて課税されるため、休職中でも支払いが必要です。支払いが厳しい場合は、市区町村の窓口で分割納付の相談ができます。
確定申告は不要
傷病手当金は非課税所得のため、確定申告の必要はありません。ただし、年の途中で休職に入った場合、年末調整が行われないことがあるため、確定申告をすることで所得税の還付を受けられる場合があります。給与が減った年は確認してみましょう。
まとめ:傷病手当金があるから安心して休める
傷病手当金の存在を知っているだけで、休職への不安はかなり軽減されます。「お金がないから休めない」と無理を続けて悪化するよりも、制度を活用してしっかり休む方がトータルでプラスになります。
給与の約3分の2が最長1年6ヶ月にわたって支給され、しかも非課税。この制度を知らずに我慢し続けるのは、とてももったいないことです。まずは主治医と会社の総務に相談してみてください。


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